戻る

ニコラ・ジョエル

 フランスのパリ生まれ、同地で学ぶ。
 1973年からストラスブールのライン・オペラで演出家のアシスタントとして活動をはじめ、79年にライン・オペラとリヨン・オペラ座でのワーグナーの「ニーベルングの指環」で演出家としてデビュー。その後、サンフランシスコ・オペラで「サムソンとデリラ」(S.ヴァーレット、P.ドミンゴ主演)、ウィーン国立歌劇場で「アイーダ」、ヴィスバーデンのヘッセン国立歌劇場で2度目の「ニーベルングの指環」を演出。フランスではパリ・オペラ座をはじめ各地で「ロメオとジュリエット」「トゥーランドット」「タイース」「ラ・ジョコンダ」「シチリア島の夕べの祈り」「ディドとアエネアス」「ファウスト」等で成功を収め、オランジュ音楽祭では1987年に「さまよえるオランダ人」で初登場して以来、「ナブッコ」「ファウスト」「アイーダ」「カルメン」「ロメオとジュリエット」「オテッロ」など常連として活躍している。1990年からトゥールーズ・キャピトル歌劇場の芸術監督に就任。1994年にはスカラ座に「ロンディネ」、ロイヤル・オペラハウス・コヴェント・ガーデンに「ロメオとジュリエット」、96年にメトロポリタン歌劇場に「アンドレア・シェニエ」でそれぞれデビュー。活動の拠点であるトゥールーズ・キャピトル歌劇場では、新しい試みによる「イル・トロヴァトーレ」「ファルスタッフ」「エレクトラ」「エフゲニー・オネーギン」「リゴレット」「ロメオとジュリエット」を成功に導き、96/97年シーズンにアラーニャを起用して「ルイーズ」「ウェルテル」を新演出。監督作品としては、ホセ・ヴァン・ダム出演の「ボリス・ゴドゥノフ」、ジェームス・モリス出演の「ワルキューレ」、ナタリー・デッセイ、ホセ・ヴァン・ダム、トーマス・ハンプソン出演の「運命の力」「ハムレット」(この2作品は、パリのシャトレ座で再演)ならびに「ルイーズ」、スーザン・グラハム出演の「ラインの黄金」などで高い評価を得ている。
 フランス・オペラからワーグナーやヴェルディ、ロシア・オペラまで広範な作品を欧米の一流歌劇場で手掛けているベテラン演出家。
 2003年藤原歌劇団&トゥールーズ・キャピトル歌劇場共同制作公演「ロメオとジュリエット」で初来日。その後もキャピトル歌劇場をはじめ、国内外で多忙な演出活動を続けている。



戻る