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ストーリー


第一幕
イタリア・ヴェローナのモンタギューとキャピュレットのふたつの名家は、代々にわたり争いが絶えず、両家の人々の胸には憎しみが深い傷痕となって刻まれていた。ある日、ロミオは友人たちとともにキャピュレットの屋敷で行なわれる仮面舞踏会に紛れ込み、キャピュレット家の美しい娘ジュリエットと出会い、二人はその瞬間に恋に堕ちる。宴が終わり客人たちとともにロミオもジュリエットの手に別れの口づけをして友人とともに去って行く。ジュリエットは名残惜しそうにロミオとの後ろ姿を追い続ける。その夜、ジュリエットは月の光に照らされたバルコニーにもたれかかっている。ロミオが宿敵モンタギュー家の息子と知り不吉な予感がするものの彼への思いは募るばかりである。そこに、塀を乗り越えてロミオが現れる。

第二幕
ロミオのところに乳母がジュリエットからの手紙を持ってくる。ロミオは午後ローレンス神父のもとで結婚式を挙げることを乳母に伝え、ローレンス神父のもとに向かう。ローレンス新婦は二人の結婚によって両家が和解することを期待し、結婚の手助けをすることを誓う。ジュリエットは乳母に連れられてやってくる。ひそやかな短い式が終わると二人はお互いの愛を確かめ合い、ジュリエットは乳母とともに帰ってゆく。
一方、街ではカーニヴァルが最高潮に達している。モンタギュー家のマキューシオとキャピュレット家のティボルトが決闘を始め、ティボルトがマキューシオを刺し殺す。ロミオは広場から逃げようとするティボルトを殺してしまう。

第三幕
ロミオはヴェローナを追放されてしまう。ジュリエットは両親から許婚のパリスとの結婚を迫られるがかたくなに拒否し、ローレンス神父のもとに向かう。神父は「あなたに本当の勇気があるのなら」と仮死になる薬を差し出す。ジュリエットは薬を受け取り、パリスの結婚式の前夜に薬を飲んで息絶える。結婚の宴はにわかに葬儀に取って代わり、ジュリエットはキャピュレット家の霊廟に安置される。ロミオはヴェローナのジュリエットのもとへと向かい、ジュリエットの後を追うために毒薬を飲んで死ぬ。ジュリエットは深い眠りから目覚め、かたわらに横たわるロミオを見つけ、絶望のあまりロミオの短剣で自害する。両家の憎しみ合いから尊い生命を失った二人の上に、優しい朝の光が差し込む。この若者たちの尊い犠牲から、両家をはじめヴェローナの街にようやく平和が訪れる。


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